須田幸英税理士事務所 事務所通信 平成30年1月号掲載
西郷南洲遺訓 13条
   平成30年度税制改正もほぼ確定しました。これに対していろいろ議論はあろうかと思いますが、この1月7日からスタートするNHK「西郷どん」の西郷南州(隆盛)は、遺訓13条で税に対して次のように語っています。
 原文は難しいので訳文を紹介したいと思います。

 税金を少なくして国民生活を豊かにすることこそ国力を養うことになる。
だから国にいろいろ事柄が多く、財政の不足で苦しむようなことがあっても税金の定まった制度をしっかり守り、上層階級が損を我慢しても下層階級の人達を虐げたりしてはならない。
 昔からの歴史をよく考えてみるがよい。
道理が明らかに行われない世の中にあって、財政の不足に苦しむときは、必ず偏った小賢しい考えの小役人を用いて悪どい手段で税金を取り立て、一時の不足をのがれることを財政に長じた立派な官吏とほめそやす。
 そういう小役人は手段を選ばず、むごく国民を虐待するから、人々は苦しみに堪えかねて税の不当な取り立てからのがれようと、自然にうそ偽りを申し立て、また人間が悪賢くなって上層下層の者がお互いに騙し合い、官吏と一般国民が敵対して、しまいには国が分離崩壊するようになっているではないか。

 つまり、税金は、しょっちゅう上げたり下げたり変えていくようなもので あってはいけないと言っているわけです。単に財政が逼迫したからといってみだりに変えたりするものではないということです。
  私もそう思います。時代の変化の中で、変えざるを得ないものはやむを得ないと思いますが、単に税収が足りないとか減税の見返りに他の税を上げるといった発想はいかがなものかと思います。
 企業も個人も、現在の税制を前提として活動し、生活しているわけです。
それをむやみに変えられたのでは、たまりません。
  税制改正をするにしても、これからの長い期間を見据えたドッシリとした改正であるべきだと思います。
 今回の税制改正について、西郷南州が生きていたらどう思ったでしょうか?

                所長 須田幸英
 事務所通信1月号掲載
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